第39回 寒露の章

2023年10月19日

お題:秋晴れ、カキフライ、並ぶひらがな


からと晴れた秋晴れのなか、ぱたぱたと風をうけているノボリがずらっと並んでいる。

海沿いの田舎、自分の地元。夏、忙しかった仕事は朝、家を出て寒さを感じるようになった頃にようやく落着きやっと地元に帰ってくることができた。たまりにたまった有給をとり、一週間ほど地元でゆっくりすることにした。家から見えるのぼりには「かきふらい」と並ぶひらがな。カキフライを平仮名で書いているだけでどこか温かみがあり落ち着く気がする。事実、自分はカキがあまり好きではない。食感と言うのだろうか、ただの好き嫌いなのか、食べる気になれないのだ。父親は漁師なのだが、自分は魚よりも断然肉の方が好きであるし、食欲がどうもそそられないのだ。まだ乾いた肉の方がうまそうにみえる。この特性にはどうも親が困ったようで、小さい頃なんか今よりも好き嫌いが激しく、食卓に並ぶ魚を無視してはよく怒られていた。今では好きではないがあれば食べるぐらいにはどうにか生きている。


touhukan409


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