第35回 初夏の章

2023年05月25日

お題:夏めく、チョコ、梅


空には重い雲がずしりと乗っかり、 目の前では地面に落ちているチョコが暑い日差しに熱されて 半分ほど溶けている。 自身にも降り注ぐ日差しを先ほど買った新聞で塞ぎながら 近くの公園まで小走りで向かう。 公園にはこの暑さの中元気よく遊ぶ子供たちの姿があり みんなとても健康的に日焼けしている。丁度ベンチに木陰がさしていたのでそこに腰掛け、 新聞を読んでいると時折山の方から涼しい風が吹き付けてきて 風で新聞がぱたぱたと扇がれ少し読みづらい、遠くの方から 子供たちを呼ぶ声がする。 「12時か、、、」 時計を見ると丁度お昼を指していた。 ぐぅとおなかが鳴り、家に戻ることにする。 帰る途中近所の人が真っ赤な梅干をくれた。 家まで待ちきれずに一個つまみ食いをする。 「んーッパ!!」 この田舎特有のしょっぱさ、とても好みでしかない。 どこかの家から聞こえる風鈴がとても涼しげだ。 最近まではじめじめとした空気があったが、 この夏めくこの時期が一番好きなのかもしれない。

touhukan 410  

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