第10回
2019年04月15日
顔がみえない客、捲られてないカレンダー
touhu 195
お店はサラリーマンや学校帰りの学生で賑わっていた。
お客さんが入ってくるたび涼しい風が入ってきて店中のコーヒーの香りがまっている。
風でカレンダーがひらひらと揺られもう何か月も捲っていないことに気づく、
カウンターの奥にお客さんが座っているのに気付いた、
どうしてか顔が見えない。
ふっ。と笑った気がして次の瞬間にはいなくなっていた。
どこか懐かしい気がした。
カレンダーを捲ると今日は友人の命日だった。