第3回
2018年08月24日
お題:水出し紅茶のシーサイド、アールグレイの日陰・畳
400文字
畳の目をなぞるようにひとつひとつ数えて、いや実際には頭のなかにある数字はでたらめで何の意味もないのかもしれない。
直に置かれている水出し紅茶のシーサイド、アールグレイの日陰にはきらきらと光る今にも溶けだしそうな飴がころころと様々な表情を見せながら自身を冷やすように、少しでも涼しくありたいと身体を寄せている。
「なぁ、今日で俺死ぬかも。」
また始まった、あいつにとっての死とはいつ来るのだろうか。
同じセリフを昨日もその前も、一年も前も聞いた気がする、
もしかしたら彼じゃないかもしれない。
「そうしたら俺も死ぬかもしれないな。」
べた付いた身体で飴を拾いあげ。
重くなった身体を引きずるように前に歩いていく。
確実に、着実に、正確に。
線が途切れた、前には何もない。
何も考えられない。
「なぁ、どうしたら。」
後ろにいるはずのあいつに話しかける、返事はない。
死んだのかもしれない、そっと重荷を下ろした。
俺たちは今日死んだ。