第39回 寒露の章

2023年10月19日

お題:秋晴れ、カキフライ、並ぶひらがな


本日は晴天なり

怒涛の連勤を終え久しぶりの何も用事のない1日

溜まっていた家事を全て終わらせ一息ついていた

そういえば動き回っても茹だるようになることはなかった

どうもしつこい夏が終わろうとしているようだ

暦の上では充分に秋だというのにいつまでも居座る暑さはじわりじわりと秋に追いやられているようで日に日に涼しさを感じる時間が長くなった

秋はせっかちなんだぞ、年の瀬までもう3ヶ月もない

せっせと身支度を整え扉を開けると陽射しが包むように降り注ぐ

柔らかな陽射しはほんのりと身体を熱くするが冷ますように風が頬を撫ぜる

気持ちのいい秋晴れに浮き足だつのをぼんやりと感じつつ散りばめられた秋を探す

いきつけの定食屋はカキフライをはじめたようだ

電子広告に流れるもんぶらんの文字を意味もなく見つめているとだんだんと目が疲れてきた

癒しを求めて青々と広がる空を見上げると目に焼き写った並ぶひらがなが浮かんでいる

天からの啓示のようで行き先を決めた私はゆるりと歩き出した


suzuki417文字


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