第4回
2018年08月24日
お題:反射した鏡のように・紫陽花・死の季節
395文字
まだ暑さが残るなか、意味があるのかわからない家出を終え、一人田んぼに挟まれた道を とぼとぼと歩く、田んぼの稲は刈られ水だけが残り、反射した鏡の様に空のいろと雲を映し出している。
その真ん中を歩いている自分はまるで空を歩いているように錯覚する。
田んぼの畔には季節外れな紫陽花が無理に背伸びをして咲いている。
それを見て、夏休み前の自分を思い出す。
「なんで、あんな事言っちゃったのかな。」
背伸びした紫陽花と自分を重ね、深々とため息をついた。
空とは対極的に暗くなる自分の心はどこかふらふらと落ち着かないでいる。
周りには誰もいない、太陽がそんな自分を可哀想にと山々の間から見つめてくる。
自分が一番わかっている。
多分反抗期ってやつだ。
親には悪いことをしたと思う、もう後悔しても仕方がないので
そろそろ観念しようと思い、後ろにいるやつに目を向け。
「もう、いいよ。」
僕の最後の夏、死の季節。
いままでありがとう。