第47回 ハロウィンの章

2024年11月07日

お題:かぼちゃ、ゴースト


こつんこつん。人じゃない耳が窓を叩くのが見えて読みかけの本を放り出して取手をくるりと回す。お外が暗くなったら外に出ちゃダメ、ママの言いつけが頭をよぎったけど、かわいいお耳がおいでおいでと手招きをするから好奇心が音を立てて鼓動を揺らした。

ドアをあけたらピンクの空で真っ暗じゃないなら怒られないわと一安心。

地面に近いところは薄紫で空に向けて明るくなってへんてこ。お空に浮かんでる雲が地面にあってそのかわり、見知ったかぼちゃが上に下にぷかぷか、水中に投げ出されたクラゲのようにゆったりぽっかり浮かんでる。その周りをダンスするようにくるくるとゴーストたちが踊ってる。

窓を叩いた犯人が地面の雲を足で忌々しく踏んでついてこいと言わんばかりに顔を背ける。

どこからかからころと音がして辺りを見回してたらどんぐりが頭に飛んできて顔をあげたらいつの間にか真っ暗でわんとなく猫が遠くで笑ってる。

suzuki 386


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