第5回
2018年08月29日
お題:夜空の星・籠の中
398文字
炭酸が、のみたい。
優しい涼しさ、所々ぬるさがあるかぜ。
気分屋な風も緩やかになり、虫も静かになる時間。
いつもの、衝動。
今日も誰もいない、誰の声も、車の音でさえ聞こえない
少し怖さもある、この時間に近所のコンビニへ向かう。
レジでは眠そうな店員があくびを殺しながら仕事をしている。
そんな少し不思議なこの時間帯に一人
緊張感を、恐怖感を、高揚感を感じている。
目印は所々にある切れかけの街頭と、夜空の星だけ。
足元もろくに見えないふわふわとした空間で
不安を連れていつもの道を一歩づつ踏み込んでいく。
目印の光が途絶えた、暗闇しかない。
右手には携帯、左手には炭酸とちょっとしたお菓子。
いままであったこころの中の気持ちは唐突に消え失せ。
自分はまるで籠の中にいるような、そんな息苦しさを感じた。
携帯で足元を照らし、速足に家に帰る。
いままではまるで時間が停止しているようだった、
だが暗闇に慣れない心音は速さを加速していく。