第8回

2018年08月31日

お題:マニキュア、煌めく、宝石、ひっくり返したバケツ、時計 

491文字 オーバー


突然浮上した意識の中 真っ先に浮かんだのはいま何時なんだろうという疑問だった

壁にかけてある簡素な時計を頭を動かさず見やると時間はちょうど深夜の三時を指そうとしていた。

変な時間に起きちゃったなぁ。

外はバケツをひっくり返したように土砂降りのようだ。


そうだ、時間も出来たことだしずっと塗りたかったことをしよう。

誰も起きていないような、世界には誰もいないようなこんな時間に。


ずっと未開封だったマニキュアに手を伸ばすと自分の爪に優しく伸ばしていく

何度も塗って厚くしっかりと。しばらく繰り返して乾燥させたら終わり。


満足して一息入れるために温かいものでも飲もうと思い、キッチンへ向かう

温めた牛乳にはちみつをひとさじ、うん、完璧。

湯気の立ち上るマグカップを手に部屋へ戻ると閉じたカーテンの隙間から光が漏れていた


マグカップは机の上に置いて勢いよくカーテンを開けると太陽が今日の始まりを教えてくれた。

雨は止んだようで、至る所に散らばっている水滴が光に反射して煌めく宝石のようだった。

世界は美しい。

そうして思い出す、今日は、仕事だった。

嫌なことを思い出したと泣きながらいそいそと身支度を整え始めるのだった


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